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広場と港街の中間辺り、画家と剣士と学者の家。
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★Galamate シキミ、アガート、ビビデ

一日遅れのハロウィン。
お菓子をいっぱい作るのはどうして?
美味しいお菓子を一個もらったよ。

夜は危ないから帰りなさいと忠告されるも帰らない。
豹が出る?馬車に轢かれる?

怖いものはお化け?…例えば、私にとっては、人間、かな。

そうじゃないよ。
怖いものは……

月は闇に染まり怪談に花が咲く
エルフの森の怪人と少女のお話。
結末は何処へ向かうのか…

白い虎が現れ
正体に気づかれないよう去って行ったが
豹は確かに、そこに居た。

危ない人には気をつけないと。

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【あ】
・アガート
広場での怪談話に加わってきた白い虎の獣人。
変身とかカッコイイ!

【か】

【さ】
・(サイレン)
封印の森で迷っていたところに颯爽と現れた獣人。
最終的には投げたキノコがクリーンヒットしたらしい…?

・シキミ
広場で会った豹獣人の少年。精神的に大人!
月を見上げていた。何か考え事でもしていたのだろう。

・ジゼット
聖堂で会った眼鏡争奪戦チャンピオンな人間。
つれなくてぶっきらぼうなタイプかと思ったが結構優しい。たこ焼きもらったし♪

【た】

【な】
・ニタ
温和な感じの眼鏡をかけた黒猫の獣人。
今度お酒飲もうね!

【は】
・ビビデ
元気な女の子。お菓子もらった!怪談話のストーリーテラー。
この子と怪談話ってギルドの…だよね?ピンク髪の怪人に御用心。

・ベアクロウ
奇抜なキノコをたくさん採取していた長身の熊の獣人。
何やら、終始ルドゥと言い争っていた。

【ま】
・(メメ)
名乗ってはもらえなかったが、おそらく鼠の獣人。
ぬいぐるみを抱えていたよ。種族が違ったら友達になれないのかな…

【や】
・ユナ(ユナエンミリオン=ザ=アローナイフズ)
丁寧で冷静な感じのお姉さん。
秘宝を求めて旅をしてるんだって!

【ら】
・ルドゥ
隻眼の少年。黒い果実を探していた。
突っ込みの才能を感じる。

【わ】
【ア行】
アライア
繁華街の大通りで会った聖堂服の歌い手。
観察眼の鋭い秘密主義者、かつドジっ子ですね。
記憶喪失者。…色々助けられたり助けたり。

オジロ
聖堂で会った魔術師。
戦争に赴かれるようなので魔法絵を渡しておきました。
気さくで発想豊かな方ですよ。

【カ行】
カティーナ(カティーナ=パリンクス=アシュフィール=カッツェ)
住人の一人、学者でエルフの子ども。
一部で腹黒いとか計算高いと言われているようですが彼女の行動は素だと思いますよ。

ガルド(ガルド=ドライヴァス)
住人の無口な隻眼剣士。二刀流だそうで。
右目を覆う布を取ると綺麗な青い目なんですよ、左目の赤とは対照的に。

【サ行】
シバ(志波)
聖堂で会った侍。
思慮深い常識人といった風格でしたね。
思わず握った拳・・・気づかれた、かも。

【タ行】
(トニー)
早朝に酒場で会った名の知らぬニート。
食べていたものから察するに実はお金持ち?
何かを悟った風でもあり、興味ないようでもあり、そんな雰囲気の人。
~What the eye projects...?~【大切な贈り物】


僕が路地に座っていた日以来、幾つものことを僕は彼に教わった…

「シェリス…君が学校で使っていたナイフを今も持っているかな…?」
持っていない訳が無い。
両親からの贈り物。
初めての贈り物。
家出した自分が生きていく為の力。
最も大事な宝物――――
「えぇ…もちろん…でも、それがどうかしたのですか?」
「ん…ちょっと見せてくれないか…」
僕は一度頷くと、彼の机の上にナイフを置いた。
エメラルドが鞘に収まったナイフ。
すると、彼は静かに立ち上がり本棚の分厚い辞典を取り出した。
パラパラパラ――――…
「ふぅ…む…」
彼は辞典のページを探っていた。
難しい表情で慎重にめくっているようだった。
僕は辞典を覗き込んだ。
そこに書いてある細かな字は僕には到底読み取れなかった。
判るのは写真だけ…
こんな辞典を愛用しているなんて、さすがは学者といったところか。

「シェリス…この緑の石はエメラルドといってね…
 君の誕生日、そう5月の誕生石なんだよ?
 宝石言葉は愛・幸福。
 パワーストーンだと霊的な解放、意識の転換をもたらすという意味を持つ。」

「エメラルド…?どっちの石が?
 この透き通った方?」
鞘には石が二石埋まっている。
両方とも緑色の石だ。

「上の方。
 エメラルドは宝石の女王、傷が無い物は100万に1個とも言われる。
 両親は君に幸福になって欲しいと願いを込めたのだろうね……」

そんな…まさか…
僕には信じられるはずもなかった。
僕をバカにした両親が、幼い僕へ願いを込めた贈り物をしていただなんて…

「そうだ!シェリス、これをあげよう…
 …これは5月19日の誕生石ラピス・ラズリ…
 ほら…君の誕生日、5月19日だったろ?」
僕の首にかけられたソレ。
ラピスの原石のネックレス。
鳥の形をした銀細工の台座に収まっている…
鳥というのは、どうやら平和の象徴・鳩らしい。
でもその鳩の足のほうは一枚の羽が象られていた…
僕にはカイルが何故、これを託したのか知る由もなかった。

カイルに一礼をすると、僕は部屋を後にした…
そして、僕の部屋に戻って、巾着にネックレスを入れて、
握り締めながら、眠りについた。
色んな考えでまた頭が埋まっていった…

どうして、両親はあんな仕打ちを…?
私が魔力を失ったから…?
では、何で無くなったの…?

カイルは何故ネックレスをくれたの…?
いつか、聞いてみよう………

…結局、寝ることが出来なくて、
僕は廊下に出た…
時間は真夜中の12時を過ぎ、街は静寂と妖しさを帯びていた…

第五章 【無数の絵画】


しばらくして、地下室に迷い込んだ。
地下室には無数の絵画があった…
油彩…
水彩…クロッキー…デッサン…
指を指しながら僕は言った。
人物画…風景画…抽象画…
ともかく、いろいろな種類の絵。
無数の絵画達が僕を迎えた。
彼は絵も得意だった。研究で描いたりするからだろう…
彼の机や石の標本もあることから、研究室でもあるのだろう。


そのなかの細い通路を行くと、一際大きな絵画が眼前に飛び込んできた。

微笑んで、髪の長い女性が星空の下で天に祈っている絵。
死者への祈りにも見え、生まれてくる子供への祈りにも見え、
不思議な印象をもたらす絵。
一枚だけその空虚な灰色の部屋に孤立していて、妙な感じがした。
この絵は宝石の粉で描かれていた。砂絵と同じようなものだ。
だが、そのクオリティは砂絵の比ではない。


そっ…
触れてはいけないと思いつつも触れてみる。
保護してあるプラスチックの向こうで水晶の屑が少しだけ落ちた。


星空はラピスとサファイア…セレスチン、オパール。
女性の髪はスモーキークオーツとパイライト。
女性の指輪はアクアマリン…
緑の瞳は…えぇと……







「燐銅ウラン石…英名トーバナイト。」

「カイル!!」

考える僕の背後に、いつのまにかカイルは立っていた。

「…トーバナイト…って、僕の名字…」
「そう。実は石の名前なんだ。
君の名字の由来は…――わからないがね。」

カイルは言いかけて、口を濁した。
二人の合間に僅かな沈黙が流れた。
あまり捨てた名字に固執したくなかった僕は、すぐ話題を変えた。

「…そ、そう。…カイルって絵が上手ですね」
「そうかな…上手くなんかないよ…本業じゃないしさ。」
「そんなことないです!この絵も凄く巧いですし…
 そういえば、この絵もそうですが、
何故、笑顔の絵が多いのですか?」

…一瞬、彼の動きが止まった。
躊躇し、しばらく黙った後、はっきりとした口調で答えた。

「絵は心を表す。
 悲しければ、色彩が少なくなる。
 怒ってるとき、線が激しくなる。
 楽しいとき、色も鮮やかになる。
 創作物全てに言える事だけどね。
 笑顔は僕の理想で、今の気持ちなんだよ…」

「あの日雨の中、君は泣いていた。
 僕が見た時、死んでしまうかと思った…
 だから、僕は家に君を連れてきたときに
笑って励ましたんだ…笑顔にはそれだけの力がある。」


「だから、もう泣くな、シェリス。
 笑顔は周囲の人を和ませる。
 そして君自身の力にもなる……
 どうか笑顔で…
 僕は…誰の涙も見たくない……」




そう言うと、彼は振り返った。
「さぁ…もう3時を回ったところだ…
 長話すまなかったね…
部屋に戻っておやすみ…」

それ以来、僕は笑顔を出来るだけ絶やさないことを誓った。
悲しみを癒してくれた笑顔を…


第六章【誓約】、第七章【偽りの笑顔】、終章【瞳に映る星】に関しては
執筆目途がたっておりません。ご了承下さい。
~What the eye projects...?~【あの日…あの場所…】


「あの日…僕の部屋は空っぽでしかなかった
夢を見る日なんか一日も無かった…」

「ただ…幼い僕は泣くことしか出来なかった…
 無力で、祖父の元へと駆け寄ったんだ…」

「でも…遅かった。もう冷たくなった人形が横たわっていただけだった
…それだけだった。」

―――――朝
幼い僕は男の腕に抱かれたまま寝ていたつもりだった…
何年ぶりかに味わった安心感に身をゆだねたそのつもりだった…
だが、眼を覚ますと男は消えていた。
男は所詮、現実世界の人間…
人生に干渉してはいけなかったから。
身体を抱え込んだままの体勢で朝を迎えたのだった…

―――――ガチャン!!バンッ!!
ドアが静寂を打ち破るように激しく開いた…

「シェリス…お爺様が死んだ…
さぁ、さっさと着替えて出てくるんだ!!
早く…早くしろっ!!
くっ…お前なんかに時間をとらせてるわけにはいかぬのだ…
私は先に行く…お前も早く来い…一分一秒でも遅れるな!いいな。」

「…お父…様?」

先日の態度とは豹変していた父に驚きを隠せなかった。
…魔力があった僕。
突如消えた僕の力…
失った祖父…
どうして…何で…
感情が入り混じってパニックを起こしていた。

涙をこらえながら祖父の部屋まで疾走した…
ドアを開けると…もうそこに両親の姿は無かった。
横たわる人形だけだった…
泣く声すら出てこなかった…
「お爺様…?ねぇ…ねてるの?」
頬にそっ…と触れてみた…
冷たさが…心までをも凍結させ…
僕はその場に崩れ落ちた…

「…なんで
…わたしはどうすればいいの…
 おしえて…おじい…さま…
ねぇ…私は…わ…たしは…―――――――」

…全てが星と化したことがわかった瞬間だった。

「数年後僕は家を出たんです。
 親が…周囲の目がかわっていって
 僕の心は限界でした…
 多分13か14くらいの歳でしょう…もっと若いかもしれませんね
 出るに伴い、僕は一人称を「私」から「僕」にしました。
 …周囲に“シェリス”だと気づかれてはきっと連れ戻すに違いないし。
 トーバナイトの名を口頭で名乗ることも辞め…。」

「ナイフを使った武術には幸い長けていたから…
 独りでも生きていけると思っていたので…。」

その日、僕はあの人に出会った…
人生を変えていくきっかけになったあの人に…

~What the eye projects...?~【雨の路地】


その日はひどい雨が降っていた…
ローブの袖をも濡らす激しすぎる豪雨だった。
その雨は心の中と全く同じで冷たくて、
涙すら雨に混じって流れていった。
そして確実に体温を奪っていた。

何とか食べつないでいた僕の体力も流石に限界で、
足取りもおぼつかないまま木によしかかっている。
パンを一口…また一口と運んでみるも
食欲が失せていく……
……ただパンは一欠片ずつ地に落ちて泥に同化した。
「はっはっ……っあ……はぁはぁ…」
息が切れていた。
声にならない声で、じっと疲労による苦痛に絶えて
誰かの呼ぶ声を求めていた。
その反面…
「いっそのこと死んでしまおうか…」
「何も食べなければ、いずれ死んでしまいますからね…」
と、自問自答で考えが埋まってもいた。

そっ…と目を閉じた。

手に泥で汚れたアスファルトが触れた。
足に降り注ぐ雫を感じた。
薄れ行く意識………


………ス…
ェ…ス……
…ェリス…?
シェリス……

シェリス=トーバナイト…―――――

誰だろう。
僕を呼ぶ声…
聞き覚えのあるその声…

ゆっくりと眼を開く。

「シェリス…。あぁ、やっぱりシェリスだ…
 やっと気が付いたみたいだね。」
人通りの少ないこんな路地で僕に声をかけた人物。

ダッ―――――!!
僕は逃げ出そうとした。
でも体力を失った足は逃げることを許さなかった。
彼は僕の腕を捕らえていた。

「カイル………」
雨に濡れた金色の髪の毛
透き通った深緑の眼 長身の若い男

カイル=フェリード…

僕は確かにその人物を知っていた、
彼の名前も呼んでいた…
僕の家に時々訪れる石の学者だった。

「何故…カイルさんが此処に居るのですか……」
「父様の命令で、僕を連れ戻そうと…?」
僕は潤んだ真っ直ぐな瞳で、彼へ問うた。

「いいや。違うよ…シェリス…
 僕が何故此処に居るのか聞きたいくらいだな…」
彼は笑顔で返事を返した。

「ならば、僕なんか放っておいて下さい…」
強めの語調で彼を突き放そうとして、顔をそむけた。

「放っておく訳には行かないな…?
 君の手もこんなに冷たい。
 お腹も空いただろう…?
 シェリス…僕の家へおいでよ…
さ、立ちあがって?」
「え…ちょっと……待っ…」

そう言うと、そのまま彼は僕の腕を勢いよく引っ張って
反動で僕は立ち上がった。
優しさが凄く暖かかった…

「カイル…有難う……」

彼の背で僕は微笑んだ。そしてしばらく眠った。
求めていた呼び声に導かれて、
彼に事情を話した僕は…
いつのまにかカイルとの生活を送っていた…

雨は降り続くも、ほんの少し雲の切れ目から陽が射していた。
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1987/05/19
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